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John Nalan New York / Vol.15 PDF Print E-mail
Written by Hiroki Sakamoto   
Tuesday, 23 June 2009
 
 
John Nalan New York 15「常磐通信・第15号」
 
 
 
転職だ、テロだ、停電だ、などと、なんだかんだありながらも、なんとか生き残って来た坂本家のジョンナラン・ニューヨーク生活も早5年が経ち2003年。先の事など全くわからないまま、突っ走って来たわけで、わりと置き去りにして来た事もある。例えば、自動車運転免許。何年アメリカにいれるかわからないし、地下鉄あるから必要ないし、ましてそんな贅沢する金など全くない状況だったのだが、友人の車に乗せてもらっても、運転を代わってあげる事もできないし、40手前のオッサンが車の免許も持ってないってちょいと恥ずかしい。ということで車の免許を取る事にした。

まずはDMV(陸運局みたいな所)に行って、ニューヨーク州に住んでいる証明(電気代や電話代の請求書、クレジットカードやら)を提出し、筆記試験を受ける。筆記試験は日本語もあるので、英語力を心配する必要もないのだが、日本語訳が微妙におかしい。まあ、どっちにしても英語よりはマシかなと思い、日本語で受験し、問題なく合格。合格したら視力検査と顔写真を撮られる。

次は道路交通法の講習を4時間受けなければならないのであるが、場所が違う。民間の自動車学校で受けなければならない。ということで、ほとんどの日本人が行っているであろう日本人経営の自動車学校に行く事にした。まあ、なんというか、寂れたビルの中に、これまた80年代ぐらいから全く模様替えもしていないよーな部屋で、さらに、もう何千回もやっているであろう、同じネタとウンチクを織り交ぜ、受講者を半ば無理矢理笑わせながら話をする、じいさん講師による講習を受ける。講習が終了すると、また簡単な筆記試験を受ける。そして路上試験の予約をする。さらに教習所の講師に何時間か路上訓練をしてもらう。とか、路上試験当日に現地近くの良く似たコースで練習する。とかのオプションがある。日本でさんざん車に乗っていた私は技術的な問題はないので路上試験当日のコース練習だけを申し込んだ。

とは言うものの、路上練習はちょいとしたいので、車を持ってる友人に1日つき合ってもらった。家の近所を行ったり来たりするのだが、右車線はわりと簡単に慣れる。というか右を走らないと事故になるのだから、かなり必死だ。ちょいと問題があるのが、標識である。左車線に慣れているので、交差点なんかに来ると、目が勝手に左を見るクセが直らない、当然アメリカの標識は右車線の右にあるのだから、なかなか慣れなかった。

もう一つ私にとって最大の問題が、交差点の優先順位である。日本だと交差点では、一方が優先道路になっているのが普通なのだが、ニューヨークにはどっちも優先じゃない所がいっぱいある。どーいう事かというと、交差点全ての車線に一時停止の標識があるのだ。という事は直進が優先だとか、右折が優先だとか、あるのかというと、それもない。どーするかというと停止線に止まった順番に優先順位が決まるのだ。だから、対向車がほぼ同時に止まろうものなら、どっちが先かなんてわからないのである。もう「ドライバーのさじ加減」というか「ドライバーの気分次第」なのである。しかし「自分の方がちょっと早く止まったけど、先に行かせてやろう。」とか思って待っていても、私が発進するまで、ずーっと待っているドライバーもいれば、先に行ったもん勝ちのよーなドライバーもいる。さらに、先に止まった車の後ろにいる車も一緒に発進しだしたりもする。結構な確率で無法地帯になるのである。

路上試験の場所はマンハッタンから電車で30分ぐらい行った郊外である。ニューヨーク郊外はマンハッタンとは全く違う趣きで、市内に住んでいる私からすれば、小奇麗にし、ハイソな感じにはしているが、車がないと住めないだろう田舎である。とりあえず自動車学校の人に最寄りの駅まで迎えに来てもらい、そのまま実際の路上試験現場の近くで30分ほど練習をした。まあ、なんとかなるかと思いながら、路上試験スタート地点まで移動。ちょいとだだっ広い、交通量の少ない道路に路上試験用の車が何台も止まっていて、受験者を乗せては発進させ、10分ほどで戻ってきて、その場で合否がわかるようである。

待つ事20分、私の順番が回って来た。日本ならサイドミラーのチェックだのバックミラーのチェックだの、あーだこーだとやるのだが、こっちはそんなのいちいちチェックしないよーで、とりあえずシートベルト締めて出発。最初の交差点を右折して大通りにでる。3ブロック走ったところで「左に曲がれ」と言われ信号待ちをして、左折。しばらくすると速度規制の標識がある。これを見逃して減速しなかったら減点である。「次ぎを右に曲がれ」と言われまた右折。右折は対向車を気にしなくていーので楽である。「次は縦列駐車、次は3ポイントターン」とソツなくこなし、後は帰るだけだったのだが「出た!全線一時停止交差点。」対向車線に私よりも先に車が止まったのだが、待てど暮らせど動く気配がない。それなら私が行くしかないとさっさと左折をしてゴール。

「結果、落ちちゃいました。あそこで、先に行ったからだって…」

たぶん、あの車はご近所さんで、いつものよーに路上試験中の車を発見して気を利かせたのか、関わりたくなかったのか…。結局また予約を入れて2週間後に違う場所で路上試験を受け、レシートのようなペラッペラの仮免を渡され無事合格したのである。そして後日相変わらず写真写りの悪い私の顔写真が入った免許証が送られて来た。
Last Updated ( Tuesday, 23 June 2009 )
 
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